BIG4系FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)の最新求人動向
大手を中心に国内企業では、事業拡大や海外進出などを目的としたM&Aに対して積極的なトレンドにあります。それに伴い、財務の観点からM&Aに関するアドバイスを行うBIG4系FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)では、中途採用が活発となっています。
M&A業界全体の好調を背景に、BIG4系FASの求人数は高い水準で推移しています。コンサルティングファームや他社FASからの経験者の採用だけでなく、未経験者の採用にも積極的です。未経験者では、特に20代後半〜30代前半までの若手層の需要が高いようです。
FASでのM&A業務は、大まかに以下のように分類されますが、コンサルティングファームでの経験が無い未経験者の場合に、必要とされる経験やスキルは、以下の通りです。
1.トランザクションサービス
M&A案件の初期段階からクロージング後のサポートに至るまで助言や提案を行う業務です。具体的な業務内容としては、財務デューデリジェンス
、会計ストラクチャー助言業務、カーブアウト財務諸表作成支援等の売却支援業務、財務モデリング業務、財務・会計領域に係る経営統合支援、当該業務に関連するプロジェクト・マネジメント業務です。
事業会社における経理や会計財務、事業管理・事業投資・経営企画部門での実務経験や金融機関での法人向け審査部門の経験、投資銀行等におけるリサーチアナリスト・財務分析業務の経験、監査法人での監査実務経験者等の方が対象となります。
2.アドバイザリー
M&A戦略の策定支援、M&Aの実行支援およびM&A実行後の統合戦略策定支援まで、M&Aライフサイクルの全てのステージにおいて、セルサイド・バイサイドいずれかのファイナンシャルアドバイザーとしてサポートを提供します。具体的な業務内容としては、M&A戦略策定支援・M&A候補先企業の発掘・M&A実行ストラクチャーの策定支援・M&Aプロセスにおけるプロジェクト・マネジメント・M&A候補先企業との交渉支援・デューディリジェンスの実行支援・企業価値評価・M&A実行に必要となる各種契約書の策定支援・クライアント社内プロセスにおける承認取得支援・M&A実行後のPMI戦略策定支援などが挙げられます。
事業会社や金融機関の経営企画部門、財務部門でM&A関連業務に携わっていた方、監査法人、税理士法人などで監査業務、財務分析、コンサルティング業務に携わっていた方、戦略コンサルティングファーム経験者、株式調査、財務分析、法人向けカバレッジ業務の経験をお持ちの方で、特定のインダストリーにおける知見やリレーションを有する方が対象となります。
3.バリュエーション&モデリング
企業価値や事業価値評価をはじめ、合併比率算定や知的財産権の評価、さらには事業用資産の減損テストなど様々な価値算定を行います。具体的な業務内容としては、ビジネスバリュエーション(企業価値評価)・無形資産(知的財産等)の価値評価・金融商品や債権の価値評価・有形資産の価値評価・モデリング業務(構築・検証)・評価アドバイザリー等です。
銀行・証券・保険会社などで企業・産業等の分析業務や投融資・管理の経験者、事業会社での財務経理、経営企画部やM&A関連業務経験者、投融資・子会社管理の経験者などが対象となります。
4.ストラテジー
アドバイザーとして、M&Aの初期的検討段階でのM&A戦略策定支援、投資判断支援からフィージビリティスタディ、事業計画策定支援、デューデリジェンス等のM&Aの実行支援、M&A後の統合・分離支援、バリューアップ支援など、M&Aのプロセス全般に幅広く関与します。
事業会社での経営企画部や事業部門でのM&A関連業務やPMI経験、事業管理経験者などが対象となります。
各職種とも、英語力は必須と言っても過言ではないほど求められます。TOEICの点数よりも、英語を使ったビジネス経験がどの程度あるのかが評価ポイントとなります。一方、ビジネス英語の経験が無くても、入社後に意欲的に英語を学ぶ姿勢があると企業側の高評価につながります。